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ラバー、ストーカー、キラー

ラバー、ストーカー、キラー

よくあるストーカー事件の過程を表すようなタイトル

恋人からストーカーになり、最後は殺人者になる。

その流れはステレオタイプかもしれないけど、この事件は屈折していて、執拗。

犯人探しだけを期待するなら、途中まではそれでも楽しめるけど。

しかしそれだけでは終わらないのがこの作品の凄さ。

ドキュメンタリーですからね。

こんなに捜査資料の映像等を出せるのは、やはりアメリカならではか。

犯人は一人の人間を殺すだけではなく、この事件に関わった人々、被害者、その家族、捜査官までをも傷つけていく。

しかしそれでも事件の解決に執念を燃やす人たち。彼らはストーカー事件のストーカーと化しているようにも見える。

しかしその動機は正反対。

彼らの心はまず被害者、その家族に寄り添っているから。それに共感できる人は多数でしょう、というかほとんどでしょう。

逆にストーカーである犯人には共感できない。できないからこそ、そうなる心理、精神、背景を知りたいとも思う。

そういうドキュメンタリーはないだろうか。