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ジョン・バティステ アメリカン・シンフォニー

「ジョン・バティステ」初めて聞く名前でした。


グラミー賞を5部門も獲得しているのに。


この作品も2024年のアカデミー賞にノミネート。


面長に大きい鼻とショートドレッドのジョンが

カーネギーホールで演ずる壮大な交響曲の創作をしている。


妻は作家のスレイカ・ジャワド、白血病の闘病中。

献身的に看病をしながら多忙な日々をやり過ごしている。


そんな中でもとてもピュアに真摯に生きているのが伝わってくる、そしてそれを自然な形で見せている。


苦悩して三日も眠れない。パニック発作も持っている。ベッドに潜り込みながら、カウンセリングを受ける。


重圧に押しつぶされそうになりながらも、自分自身を奮い立たせ、人前に出るときは、パワフルでポジティブ。そのエネルギーたるや凄まじい。 

  

妻スレイカも静かに耐えながら、病と闘っている。

二人共戦う相手は違えども、命懸けで闘っている様子が伺える。    


輝かしいグラミーの授賞式の翌日にはスレイカが再入院。


夢のような世界から一夜で現実に引き戻される。それを淡々と受け止め市井の中に自然と交わる。 

彼のそんな寛容的で受容的な人間性は「アメリカン・シンフォニー」にも織り込まれているのだろう。


黒人のルーツを超えた、人間のルーツからプリミティブな音を拾い上げ、繋げていく。 


対象とするリスナーは一部の音楽好きではなく、全人類なのではと思わせる。


いや、人種を超えて、国境を越えて、人間さえも越えて、生きとし生けるものへと作品を届けようとしているのではないのだろうか。


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