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「国際政治 改版 恐怖と希望 」高坂正堯

この2日間のアルドの散歩は、定休日だったので、「長い散歩でいいよ」と言ったら、月曜日が二時間。火曜日は1時間半と長いお散歩🐶

 

しかし今日からは仕事なので、散歩出発前にアルドに

 

「今日はお仕事だから短い散歩にしてね」と言ったら、

 

ちゃんと30分で帰ってきました👍

 

親バカ全開ですみません🙇‍♀️

 

 

「50年以上前の本なのに、まったく古さを感じない」――なぜ高坂正堯の本は、令和の大学生にも読まれ続けるのか|田所昌幸×細谷雄一×小泉悠 特別鼎談

 

 

っという記事を見て、今の大学生にも支持される政治本とはどういうものなのかと思って、読み始めました。

 

出版は1966年頃なのでしょうか。しかし、現代の国際政治情勢を想起させるような内容でした。

 

本の帯には「戦争という不治の病を克服する」と書かれていますが、本書の前書きで既に

 

「この書物は、ある具体的な措置を平和へのたしかな道として唱導することをせず、逆に、平和へのたしかな道は存在しないことを主張しているけれども、私がそれによって自己を確認したことには変りはない。私はこの書物において、具体的な平和のための措置をいくつか取りあげ、それらを検討した。それらはすべて不満足なものであり、平和の探求として讃えられるかわりに、大きな但し書きをつけて扱われるべきものであることがわかった」と書かれています。

 

こう言われると虚しくなってしまいますが、読み終わると、論理的に考えて納得せざるおえなくなります。

 

しかし、最後に、医療で言えば対処療法になるが、諦めず、絶望せずに治療をしていかなければならないと結んでいます。

 

著者はルソーの影響が大きく、「エミール」からの教育的な哲学を国際政治に援用していたりします。人間の行動心理を彷彿させるような、それがわかりやすさに一役買っているところがあるように思います。

 

これって、普段の人間関係でもあるよなぁ、と思うような、例えば、

 

「じっさい国際社会について考えるとき、まずなによりも重要な事実は、そこにいくつもの常識があるということなのである。」なんかは、人それぞれの常識を正当化することで、だいたい人間関係のトラブルは起きるし。

 

「交流は依存を生みやすく、依存は支配を生みやすいということが忘れられてはならない。」は、仲良くしすぎて、頻繁に交際してると、かえって、仲が悪くなったりするととかありますよね💦

 

現代のグローバルサウスについてはこんな記述が、

 

「現代における最大の課題である発展途上国の開発が、アメリカと中国とのあいだの巨大な権力闘争に巻きこまれる可能性のあることは否定しえない。それに、ソ連も無関心ではないし、西ヨーロッパの先進工業国も旧植民地に対する関心を失ってはいないのである。」

 

北朝鮮などの独裁国については

 

「昔から、すべての独裁者は外国の脅威を理由にその国内の権力の増大をはかってきた。そして、この権力の増大が今度は他の諸国に脅威を与え、対抗措置をとらせ、その結果、外国の脅威が現実化することになって、ふたたび独裁者はその権力の増大をおこなうという循環が成立したのである。」

 

目指すべき平和国家とは

 

「平和な国家は、その独立を守るだけの力を持っていなくてはならないが、その軍備によって国家が軍国主義化されていてはならないし、その軍備を十分に規制することができなくてはならない。」

 

など、国際政治の大枠を捉えるのに適した名著だと思います。